災害時に道路が通れなくなると、避難や救助、物資輸送、復旧活動にも影響します。国土交通省の令和9年度道路関係予算概算要求から、災害に強い道路ネットワークを考える施策を読み、技術士試験の学習につなげます。
この記事は概算要求資料を使ったBonの学習整理です。概算要求は成立予算や実施済みの成果ではありません。例題と骨子例は架空の学習用で、公式問題・模範解答ではありません。
資料から読む|何を確保したいのか
令和9年度道路関係予算概算要求概要の冊子13ページ(PDF17枚目)は、高規格道路の未整備区間の整備や暫定2車線区間の4車線化等を進め、災害に強いネットワークを構築する方針を示しています。
図では、高規格道路の整備だけでなく、並行する一般道の防災課題の解消も組み合わせています。さらに、陸・海・空の複数の交通手段を連携させ、代替性を確保・強化する方向も示しています。
国土交通省|令和9年度道路関係予算概算要求概要・冊子13ページ(PDF17枚目) →
国土交通省資料|道路ネットワークの比較

ネットワークで考えるとは?
個々の道路や橋が丈夫かという確認に加えて、ある区間が通れないときに、必要な場所まで移動・輸送を続けられるかを考えます。対象となるのは、道路の本数だけでなく、接続、通行条件、災害リスクや防災拠点へのアクセスです。
別の道路があっても、同じ災害で同時に通れなくなったり、幅員や高さなどの条件で必要な車両が通れなかったりすれば、十分な代替路とはいえない場合があります。経路の有無に加え、実際に使える条件を確認します。
概算要求で読む3つの対策
- 未整備区間をつなぐ:ネットワークの連続性と、重要な拠点への到達性を確認する。
- 暫定2車線区間の4車線化:災害時の被害や復旧工事の条件に応じ、交通機能を確保する方法を考える。
- 並行する一般道の防災対策:高規格道路と一般道を組み合わせ、通行を妨げる要因に対処する。
これは資料を読むための整理です。4車線化すれば必ず通行を維持できるという意味ではありません。対策の効果は、災害の種類や規模、構造物、被災範囲などによって異なります。
目標と実績を混同しない
資料では、発災後おおむね1日以内の緊急車両の通行確保、おおむね1週間以内の一般車両の通行確保を目指すとしています。これは政策上の目標の記載であり、すべての路線で必ず実現する期限や、達成済みの実績ではありません。
答案では、対象地域と必要な機能を確認したうえで、整備、管理、被災状況の把握、関係機関との調整を組み合わせて考えます。
技術士試験では、どこまで書く?
「リダンダンシーを確保する」だけでは、何の課題に対応するかが伝わりにくくなります。例えば、物資輸送ルートが限られる地域なら、必要な車両、拠点と接続道路、同時被災の可能性、応急対応の条件まで整理し、機能確保の対策につなげます。
新設や拡幅だけでなく、既存道路の防災対策、情報共有や交通運用も検討します。費用や実施時期、他の経路への影響を比較し、設問で指定された観点と条件に合わせて選びます。

5分の骨子練習|迂回路があれば十分?
Bonの架空例:防災拠点への主要経路に土砂災害のリスクがあります。別の経路もありますが、道路幅員と、主要経路との同時被災の可能性は未確認です。必要な車両の条件も、関係機関と整理できていません。
問い:通行機能の確保に向けた課題を1つ、対応を2つ、留意点を1つ考えましょう。
骨子例を見る
課題:主要経路と代替経路のリスク・通行条件を確認し、防災拠点まで必要な車両が到達できる経路を確保する。
対応1:道路管理者と防災関係機関が、必要な車両、拠点、幅員等の通行条件、同時被災の可能性を整理する。
対応2:主要経路の防災対策と代替経路の機能確保を比較し、優先順位、実施時期、被災情報の共有方法を検討する。
留意点:経路が複数あるだけで機能を保証せず、災害の条件や被災後の状況に応じて通行可能性を確認する。
Bonの学習例です。具体的な工法・設計条件を示すものではありません。
公式過去問で条件を確認
令和8年度の建設部門「道路」選択科目Ⅲ-2は、大規模災害時の道路の災害対応や機能確保を扱う問題です。課題を抽出する際には、老朽化に伴う維持管理の観点を除くという条件もあります。原文を読み、問いの項目・数・除外条件を確認してから、学んだ施策を使えるか考えます。
日本技術士会|令和8年度「道路」Ⅲ-2(PDF4ページ目) →
別の施策と比べる
公式資料確認:2026年10月28日。施策の説明は国土交通省「令和9年度道路関係予算概算要求概要」冊子13ページを参照。答案の視点や骨子例はBonの学習整理です。


