技術士第二次試験の受験申込書・業務経歴票の書き方|口頭試験まで見据えて整理する

受験申込書と業務経歴票は、単なる申請書類ではなく、口頭試験までつながる重要資料です。

このページでは、最新年度の正式様式を確認したうえで、何をどこまで書くか、どの業務を選ぶか、後の口頭試験で説明しやすい形にどう整理するかを解説します。

事実を整理する、伝わる文章にする、質問して確かめる。自分の役割・判断と根拠・結果と評価を、他案や改善点の問いで見直す。
まず図で全体像を確認し、下の手順で自分の経験を整理します。Bonの学習整理であり、公式の様式・試問内容を示すものではありません。

最初に確認すること

  • 最新年度の受験申込案内
  • 記載欄・文字数・提出方法
  • 業務経歴の対象期間と要件

年度で変更される可能性があるため、公開前に日本技術士会の一次資料を必ず確認します。

業務経歴の選び方

派手な業務を選ぶよりも、自分の役割・課題・判断・関係者調整・成果を具体的に説明できる業務を優先します。

口頭試験から逆算して業務経歴を整理する

業務経歴票は、提出して終わりではありません。後の口頭試験で『なぜその判断をしたのか』『どのような制約条件があったのか』『関係者とどう調整したのか』『成果をどう評価したのか』を説明できる状態まで整理しておくと、出願後の準備が大幅に楽になります。

Bon式・業務選定の6チェック

  1. 役割:自分が担当した範囲を明確に言えるか
  2. 課題:単なる作業ではなく、解くべき技術的・業務上の課題があったか
  3. 判断:複数案や制約条件の中で、自分の判断を説明できるか
  4. 調整:発注者、社内、関係機関などとの調整を説明できるか
  5. 成果:安全性、品質、コスト、工程、維持管理などの効果を説明できるか
  6. 振り返り:今なら何を改善するか、他業務へどう生かすかを説明できるか

道路・舗装・防災・斜面・橋梁点検などの実務では、技術的に難しい案件であっても『自分が何をしたのか』が曖昧だと口頭試験では説明しにくくなります。逆に、規模が大きくなくても、自分の判断と役割を具体的に説明できる業務は有力候補になります。

Bonの実務視点

建設コンサル業務では、設計条件・安全性・経済性・施工性・維持管理性・発注者協議・関係機関調整などが絡みます。これらを単なる作業列挙ではなく、技術者としての判断プロセスとして整理することが重要です。

必要なときに確認|よくある失敗と改善例

NG1|会社の実績説明になっている

NG:当社は〇〇道路の詳細設計を実施し、道路線形、擁壁、排水計画を検討した。

改善:私は道路線形検討を担当し、家屋近接部の施工性と用地制約を整理したうえで複数案を比較し、発注者との協議を経て線形を決定した。

NG2|課題と対応がつながっていない

NG:工程が厳しかったため、関係者と協議して対応した。

改善:調査結果の確定が遅れ設計工程への影響が見込まれたため、後工程への影響が大きい検討項目を先行して整理し、発注者と確認順序を共有して工程遅延を抑えた。

NG3|専門用語だけで説明する

NG:FWD、TA0、逆解析を実施した。

改善:舗装の状態を評価するため、調査結果から読み取れることと追加確認が必要なことを区別し、適用条件を確認したうえで補修工法を比較する判断材料を整理した。

NG4|成果が『完了した』で終わる

NG:協議の結果、無事に業務を完了した。

改善:比較条件と判断根拠を整理して合意形成を図った結果、後工程での手戻りを抑え、発注者が工法選定理由を説明できる成果として取りまとめた。

ポイント:業務経歴票では『何をしたか』だけでなく、『なぜそう判断したか』『自分は何を担ったか』『結果をどう評価するか』まで一貫させます。公開時は最新年度の正式様式・文字数・記載要領を日本技術士会の一次資料で確認します。

提出する文章より先に、説明できる材料をそろえる

まず学習用のメモに、事実を詳しく残します。そこから様式に合わせて文章を絞り、最後に質問への説明と突き合わせます。文字数を埋めるために役割や成果を大きく見せないことが前提です。

  1. 自分の範囲:担当した検討、提案、調整と、上司・他担当者が決めた部分を分ける。
  2. 問題と制約:何が困難で、何を同時に満たす必要があったか。
  3. 選択肢と判断:他に何が考えられ、何を基準に選んだか。
  4. 実行と調整:誰のどんな懸念を確認し、計画をどう修正したか。
  5. 結果と評価:実際に確認できた効果と、期待にとどまる効果を分ける。
  6. 残る課題:何が不確かで、今なら何を改善するか。

これはBonの構成メモで、提出する見出しや字数配分を固定する型ではありません。

書いた一文から、想定質問と確認材料を見る

次の問いは自分の説明の穴を探す練習です。実際の出題を予告する質問集ではありません。

書いた内容自分への問い確認しておく材料
私が計画を提案したあなた自身はどこまで判断した?最終決定は誰?担当範囲、提案内容、承認・協議の流れ
複数案から選定した比較した条件は同じ?採らなかった案が有利な条件は?比較対象、評価軸、判断の限界
関係者と調整した意見はどこで違った?何を説明し、何を修正した?相手の懸念、共有した情報、合意内容
効率が向上した何と比べ、どう確かめた?他の要因の影響は?比較範囲、確認方法、未検証部分
安全を確保した何のリスクを扱った?残ったリスクは?安全確認の範囲、対応、見直し条件

短い例から、口頭説明まで組み立てる

架空の学習場面:複数施設の補修計画を検討する業務。候補施設の情報が部署ごとに分かれ、限られた予算の配分理由を説明しにくい状況を想定します。実案件・本人の合格記述ではありません。

文章の改善例と、掘り下げる問いを見る

曖昧な例:私は資料を整理し、関係者と協議して最適な補修計画を作成した。

構成の例:私は補修候補の比較資料を担当した。施設ごとに情報の粒度が異なり、優先順位の根拠を共有しにくかったため、状態と機能への影響を整理する共通項目を提案した。未確認の情報は追加確認の対象とし、関係部署と比較条件を合わせたうえで、優先順位案と判断根拠を取りまとめた。資料の共通化はできたが、実際の補修効果は実施後に確認する必要がある。

これは720字の完成例ではありません。自分の事実に置き換えて構成を確かめるための短い例です。

  • なぜ情報を共通化した?:比較の前提が違うままでは、優先順位の理由を説明しにくいため。必要な安全確認まで単純化して省く意味ではない。
  • 共通項目だけで順位を決めた?:未確認情報や施設固有の条件を確認し、単一の点数で判断し切れない事項も整理する。
  • 成果は?:今回確認した資料の整理・判断根拠の共有と、将来の補修効果を区別する。未測定の費用削減率は答えない。
  • あなたの役割は?:比較資料と提案を担当した範囲を説明し、部署の決定や他担当者の成果を自分の成果に含めない。

構成を詰める順序|書く→問う→確かめる→絞る

  1. 候補業務を並べ、専門とする事項との関係と、自分の判断を説明できるかを確認する。
  2. 一つを選び、上の6項目を事実ベースでメモする。
  3. 各主張に「なぜ・他案は・根拠は・誰が・結果は」を問い、答えに詰まるところを確認する。
  4. 確認できたことから、目的・役割・技術的内容と課題・成果のつながりを作る。
  5. 当年度の正式様式・字数に合わせて絞り、経歴の期間や担当範囲との整合を確認する。
  6. 声に出して説明し、長く暗唱するより、聞かれた点へ簡潔に答えられるか確かめる。

Bonの体験から|「ここを聞いてほしい」を意識して書く

Bonが実際の受験経験から大切だと感じたのは、口頭試験で質問してほしいポイントを意識しながら申込書を作ることです。自分の判断や工夫が伝わる業務を選び、その論点が読み手に見える文章にしておきます。

何をしたかの列挙より、「何に悩み、何を比べ、なぜ選んだか」を短く示すと、説明したい技術的判断が明確になります。実際にどの質問が出るかを指定・保証できるわけではないため、別の角度から聞かれたときも事実と根拠へ戻れる準備をします。

  1. 聞いてほしい論点を決める:自分が判断した相反条件、比較、調整、評価から、特に説明できることを選ぶ。
  2. 本文に具体的な手がかりを置く:「工夫した」「最適化した」で終わらず、比べた条件と判断を短く記す。
  3. 続く問いまで準備する:選定理由だけでなく、他案、根拠、残るリスク、今ならどうするかを確認する。
聞いてほしい論点が見える書き方の例

抽象的な例:複数案を比較し、最適な計画を提案した。

論点が見える例:私は比較検討を担当し、施工時の制約と維持管理のしやすさを同じ条件で比較した。採用案の不利な点も整理し、その対応を含めて計画を提案した。

ここで説明したいこと:二つの条件をどう比べ、採用案の不利な点にどう対応したか。

準備する問い:なぜその条件を重視したか/他案が有利になる条件は何か/対応の効果はどう確認したか。

例文はBonの実案件や実際の提出文ではなく、構成を示す架空例です。自分の事実にない比較や成果を加えるものではありません。

体験に基づく作成の工夫であり、公式の採点基準ではありません。詳細業務だけでなく、経歴全体・筆記答案・公式の試問事項も確認します。

公式要件と、Bonの作成手順を分ける

2026年度の日本技術士会「受験申込み案内」では、業務内容の詳細の選び方・記載内容・字数等が定められています。詳細業務の説明だけで口頭試験への準備が完了すると考えず、筆記答案と経歴全体、公式の試問事項も確認します。2027年度の条件は新しい案内で再確認してください。

守秘と事実確認を、作成の最初から分ける

正式な受験申込には公式が求める正確な情報を記載します。一方、ブログや公開練習で、現場名・発注者・路線・数量・時期・社内資料を組み合わせて開示する必要はありません。公開用に一般化した例を、そのまま自分の受験経歴に転用しないでください。

数値や効果は根拠が確認できた範囲だけにし、他人の判断を自分の判断として書き換えません。社外へ資料を出す場合の扱いも確認しておきましょう。

今日の作業:候補業務を一つ選び、「私が判断したこと」と「なぜその判断か」を各1行にし、裏付けを確認する。これを口頭準備の出発点にします。

一次資料の確認日:2026年10月24日。作成順序・想定質問・架空例はBonの学習整理であり、公式の採点基準や合格を保証する記述例ではありません。本記事は主に総合技術監理部門以外の技術士第二次試験を扱います。

次にすること|経歴メモを、口頭で説明してみる

まず、選んだ業務について「自分の役割・判断・根拠」を、文章を見ずに説明してみましょう。説明が止まる箇所が、次に補う材料です。

聞いてほしい判断・工夫だけでなく、代替案、根拠、結果の限界も説明できるようにします。実際の質問を予測しきることはできないため、業務経歴全体と筆記答案、倫理・継続研さんも含めて準備しましょう。

Bonと、少しずつ学ぶ。

読んだことを、次の一歩へ。

今日は、ひとつ説明できたら十分。余裕のある日は、確認問題や骨子づくりへ進みましょう。

次に学ぶことを選ぶ →

使える時間や準備の目的に合わせて、学習の入口へ。

役割・判断の根拠・結果を整理し、文章にして、他案や成果の根拠を質問して見直す。Bonによる申込書と口頭準備の学習整理。
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